ヒト真皮(hADM)スキンブースターは、死亡したドナーの皮膚から細胞を除いた真皮の基質、つまり肌の内側の骨組みを注射する施術です。細胞を除く理由は、拒絶反応を起こす成分を取り除くためです。変化の有無は数週間かけて確認します。
3行まとめ
20名を対象にした比較では、施術後1週から20週まで肌の状態を測定しました。この試験に記録された日程は1か月間隔で3回です。
米国食品医薬品局(FDA)はドナー検査の項目にHIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒を含めています。
韓国の組織銀行は韓国食品医薬品安全処の許可を受けます。感染が疑われる組織と、死亡原因が不明なドナーの組織は供給・移植禁止です。
ヒト真皮(hADM)スキンブースターはどんな材料ですか?
表皮と細胞を除いたあとも、コラーゲンとエラスチンは残ります。動物の皮膚から作った基質は別の材料です。注射に使うのは、提供された人の皮膚から作った粒子です。加工・保管・準備は製品ごとに違います。
Re2Oスキンブースターとダーマセル(DermaCell)は、この粒子を皮膚に注射する別々の製品名です。施術の流れは「Re2Oスキンブースターの案内」をご覧ください。細胞を入れる施術とダーマセルが違う点は「ダーマセルの案内」をご覧ください。
細胞を除けば、感染のリスクもなくなりますか?
取り除くのは細胞で、感染への対応は別の段階です。感染はドナー検査と採取後の加工で扱います。米国食品医薬品局は、その加工と取り扱いに感染の伝播を防ぐ書面の手順を求めます。
この材料は人にどう使われ、いつまで観察しましたか?
Re2Oスキンブースターを人に使った比較試験の参加者は20名でした。細胞を除いた真皮粒子150mgをヒアルロン酸、生理食塩水、麻酔薬と混ぜて準備し、顔の片側の真皮中層にはその混合液1.5mLを入れました。この試験に記録された日程は1か月間隔で3回です。
測定は施術後1週、4週、8週、12週、16週、20週に行いました。この区間で密度、弾力、しわ、毛穴、水分を見ました。一時的な赤みと軽い腫れは処置なしで落ち着き、この試験で重篤な有害事象は0件でした。製品開発に助言した研究者がこの試験に参加しました。比較は、ヒアルロン酸と混ぜた側とヒアルロン酸だけを入れた側を、一つの顔で並べて見たものです。
| 項目 | 試験の記録 |
|---|---|
| 参加 | 20名 |
| 準備 | 真皮粒子150mgをヒアルロン酸・生理食塩水・麻酔薬と混合 |
| 注入 | 真皮中層、片側1.5mL |
| 回数 | 1か月間隔で3回 |
| 測定 | 1・4・8・12・16・20週 |
| 直後の反応 | 一時的な赤み、軽い腫れ |
| 重篤な有害事象 | 0件 |
幹細胞施術やフィラーとどう違いますか?
このスキンブースターは基質を入れます。幹細胞施術と呼ばれることが多いSVFは、本人の脂肪の細胞を使います。ヒアルロン酸フィラーはヒアルロン酸のジェルでくぼみを埋めます。三つの注射はひとまとめに呼ばれがちですが、注射器の中の材料は違います。
肌の骨組みを補う注射全般は「肌の骨組みを補うスキンブースター」をご覧ください。リジュランと材料を並べて比べる内容については「Re2Oとリジュランの比較」をご覧ください。施術ページは「Re2Oスキンブースター」と「ダーマセル(DermaCell)」をご覧ください。
| 区分 | 入れる材料 | 細胞 | 書類で追加確認する項目 |
|---|---|---|---|
| ヒト真皮スキンブースター | 提供真皮の粒子 | 基質のみ | ドナー検査、ロット番号 |
| SVF | 本人の脂肪の細胞 | 細胞を含む | 採取部位 |
| ヒアルロン酸フィラー | ヒアルロン酸のジェル | ジェルのみ | 製品名と部位 |
ドナーと組織はどう管理されますか?
米国食品医薬品局は、移植または注入する人の細胞・組織を扱う機関にドナーの選別・検査、感染の伝播を防ぐ書面の手順、記録の保持を求めます。皮膚はその例に挙がっています。ドナー検査にはHIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒が含まれます。
韓国では皮膚は人体組織に含まれます。提供とは対価を受けずに自分の組織を提供することで、死後の提供もできます。臓器と違い、組織は加工して長く保管します。組織銀行は韓国食品医薬品安全処の許可を受けた機関で、業務には採取・保存・処理・保管・分配と、ドナーの選別、品質管理が含まれます。感染の疑いがある組織、死亡原因が明らかでないドナーの組織、適合性検査で不適合となった組織は、供給・移植禁止です。
| 条件 | 韓国での取り扱い |
|---|---|
| HIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒に感染しているか疑いがある | 供給・移植禁止 |
| 認知症など退行性神経疾患のあるドナー | 供給・移植禁止 |
| 死亡原因が明らかでないドナー | 供給・移植禁止 |
| 有害物質に曝露したドナー | 供給・移植禁止 |
| がんの転移が懸念される組織 | 供給・移植禁止 |
| 適合性検査で不適合 | 供給・移植禁止 |
施術当日はどの順で進みますか?
当日は確認、消毒、麻酔、注射の順で進みます。回復期は注射した部位を続けて確認します。
- 入れる部位の感染の有無、アレルギー、服用薬、最近の顔の施術を確認します。
- 皮膚を消毒します。
- 必要に応じて麻酔クリームを塗ります。
- 準備した粒子を注射します。
副作用と、施術を延期する場合は?
注射直後の変化はその場で確認します。入れる部位に感染があれば、その部位は当日の予定から外します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 注射直後 | 赤み、腫れ、内出血、圧痛 |
| 施術した機関に連絡 | 痛みが増す、熱感、分泌物、水ぶくれ、広がる発疹 |
| 当日の予定から外す | 入れる部位に感染がある場合 |
※ 直後の項目は、注射した部位で確認する反応です。ドナー検査は、組織を介した感染の伝播を減らすための手順です。
見積書と同意書では何を確認しますか?
見積書で先に確認するのは、製品名がRe2Oスキンブースターかダーマセルか、そしてロット番号が同意書と一緒に残るかです。価格の見方は「Re2Oの価格で確認する項目」をご覧ください。
相談前に書類のどこを照合しますか?
説明内容と書類の記載を照合します。空欄は施術当日に補う項目です。
- □ 説明と書類の製品名の一致
- □ 原材料の表記: ヒト真皮(hADM)
- □ ドナー選別・検査情報の書面での受領
- □ ロット番号または追跡番号の受領
- □ 適用部位と今回の計画の一致
- □ 直後の反応と、連絡が必要な変化の記載
- □ 同意書の写しと使用材料情報の保管
よくある質問
Q1. ヒト真皮スキンブースターは幹細胞施術ですか?
細胞を除いた基質を入れる施術なので、幹細胞施術とは材料が違います。幹細胞施術と呼ばれることが多いSVFは、本人の脂肪の細胞を使います。
Q2. 提供された皮膚はだれの皮膚ですか?
対価なしで提供されたドナーの皮膚です。書類にはヒト真皮(hADM)と書き、ドナー検査の記録を一緒に確認します。
Q3. Re2Oとダーマセルは同じ製品ですか?
どちらもヒト真皮を使う、別の製品です。書類に書かれた製品名で区分します。
Q4. ドナー検査は何を確認しますか?
米国はドナーにHIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒の検査を求め、韓国では感染が疑われる場合や死亡原因が不明な場合など、条件に当てはまる組織の供給・移植を禁止しています。
Q5. ヒアルロン酸フィラーと何が違いますか?
フィラーはヒアルロン酸のジェルを入れて体積を埋めます。ヒト真皮スキンブースターは真皮の粒子を入れます。人を対象にした比較は、ヒアルロン酸と混ぜた混合液でした。
根拠資料
- 米国食品医薬品局: 組織および組織製品
- 米国食品医薬品局: ヒト細胞・組織のドナー検査要件
- 韓国法制処「暮らしの法令情報」: 人体組織の提供・移植の概要
- Mihalečko Jほか(2022)、Physiol Res: Acellular Dermal Matrix in Plastic and Reconstructive Surgery(PMID 36592440, PMC9854008)
- PubMed Central: 注入型のヒト無細胞真皮粒子を人で比べた試験
この記事は一般的な情報案内であり、個人の診療に代わるものではありません。
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