レディエッセ(Radiesse)は、顔のしわを埋めたり、手のボリュームを改善したりする注入型フィラーです。肌のハリを目的とした施術としても使われますが、部位と目的によって承認の有無と根拠が異なります。
主成分はカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHA)微粒子で、骨や歯を構成するミネラルと同じ成分です。Celliniqueでは公式の施術名をシグネチャー RADIESSEと表記します。
3行まとめ
レディエッセはCaHA微粒子をジェルに混ぜて作ったフィラーです。
米国で承認された部位は顔のしわと手です。首・腕・腹部のように広告でよく見られる部位は、その承認に含まれていません。
5,081件の施術をまとめた資料では副作用173件が報告され、ほとんどが結節でした。
補う役割と肌のハリをあわせてみます
レディエッセは、くぼんだ部分や深く折れたしわを埋めるために使います。文献では肌のハリと、肌が引き締まって見える変化もあわせて扱いました。
このとき研究されたのは、CaHA成分だけを取り出した材料ではなく、CaHA微粒子をジェルに混ぜた実際の製剤です。したがって、別の成分の「コラーゲンブースター」と同じ施術としてまとめて判断するより、製品の成分と使用目的を確認する必要があります。
承認された部位と研究された部位は異なります
米国でレディエッセが承認された部位は顔のしわと手です。HIV感染で顔の脂肪が減った場合の補正も、別に承認されています。
| 部位・症状 | 米国承認の有無 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 顔面のしわ・しわ溝 | 承認 | ほうれい線などを含む中等度~重度の顔のしわ補正 |
| HIV感染による顔面脂肪減少 | 別途承認 | 顔の脂肪が減った症状の補正 |
| 手 | 承認 | 顔以外で米国承認が確認された部位 |
| デコルテ | 米国承認に含まれない | 首の下と胸の上の部位で、欧州連合では承認されている |
| 首・足・腕・太もも・腹部など | 米国承認に含まれない | 臨床で用いられ、肌が引き締まって見える変化が報告されているが、比較研究で確認された根拠は不足している |
ほうれい線は米国承認に含まれている部位です。ハリを目的に使うことは、承認された使い方だからではなく、別の研究資料を根拠に判断します。
最も多く報告された副作用は結節です
21編の論文に含まれる5,081件の施術をまとめた資料では、副作用173件が報告されました。全施術件数の3%に相当します。
| 報告された副作用 | 件数 | 副作用173件中の割合 |
|---|---|---|
| 結節 | 166件 | 96% |
| 長く続いた炎症・浮腫 | 4件 | 2% |
| 長く続いた赤み | 2件 | 1% |
| 過度な補正 | 1件 | 1% |
結節は、しこりのように塊になる現象です。報告された結節のほとんどは外表には現れず、別の処置なしに消失しました。そのうち49%は動きの多い部位から出ていました。
この資料はレディエッセの全般的な安全性を良好と評価しつつ、結節を含む実際の副作用事例もあわせて記録しました。
カウンセリングでは成分・部位・目的を確認します
「コラーゲンブースター」という名前だけでは、どの成分を使うのか分かりにくいです。成分が異なれば、参照する研究も副作用も異なります。
診察室では次のように確認できます。
- □ 「この施術に入る成分名は何ですか?」
- □ 「私が受ける部位は承認を受けた部位ですか?」
- □ 「しわを埋めることと肌のハリのうち、どの目的で施術しますか?」
- □ 「結節ができた場合、どのように対応しますか?」
よくある質問
Q1. レディエッセは一般のフィラーですか、コラーゲンブースターですか?
CaHA微粒子をジェルに混ぜた注入型フィラーです。くぼんだ部分としわを埋めるために使い、肌のハリと肌が引き締まって見える変化も研究されているため、コラーゲンブースターと呼ばれることがよくあります。
Q2. ほうれい線に使えますか?
ほうれい線は米国承認の範囲に含まれる顔のしわです。実際に用いるかどうかは、しわの深さと顔の状態を見て決めます。
Q3. 首や腕にも使えますか?
首・腕・腹部などには臨床で用いられた資料がありますが、米国で承認された部位には含まれません。施術前に、当該部位の根拠と使用目的を確認する必要があります。
Q4. レディエッセで入れたCaHAは体内に残り続けますか?
CaHAは時間がたつと体内で分解される材料です。
Q5. 結節ができることはありますか?
まとめて分析した資料で最も多く報告された副作用は結節でした。ほとんどは外表には現れず、別の処置なしに消失し、動きの多い部位でよく報告されました。
結果・持続・適合の可否は、お一人おひとりの肌状態・年齢・生活習慣によって差があり、同じ結果をお約束することはできません。
施術には一時的な赤み・むくみなどの副反応が生じる可能性があり、禁忌事項がある場合もありますので、事前カウンセリングでご確認ください。
本記事は一般的な情報のご案内であり、個別の診療に代わるものではありません。ご自身の状態に合わせた診断・施術はカウンセリングでご確認ください。
根拠資料
- 米国FDA: PMA P050052, Radiesse Injectable Implant — 2006年12月に承認された中等度~重度の顔面しわ・しわ溝補正の根拠。HIV感染者の顔面脂肪減少の補正は、同じFDAデータベースの別件文書であるP050037に記録されています。
- J Cosmet Dermatol 2017, PMID 28247924 — 論文21編、施術5,081件、実人数2,779名と副作用173件の種類・割合、結節の経過と発生部位、全般的な安全性評価、CaHAの生分解性に関する根拠。含まれた論文は2004~2015年に発表されました。
- Int J Dermatol 2024, PMID 38390986 — CaHAをジェルに混ぜた製剤の生体刺激・タイトニング特性と手・デコルテの承認状況、首・足・腕・太もも・腹部などその他の部位で希釈製剤を用いた研究および無作為対照試験根拠の不足に関する資料。
あわせて読む
成分、しわ、ハリ、安全に関する詳しい案内は、以下で続けてご覧いただけます。
出典
- PMA P050052 Radiesse Injectable Implant (안면 주름·주름골)U.S. FDA
- CaHA 필러 안전성 문헌고찰: 21편·5,081건 (J Cosmet Dermatol 2017, PMID 28247924)PubMed (Journal of Cosmetic Dermatology)
- CaHA 체계적 문헌고찰: 생체자극·타이트닝과 신체 부위 적용 현황 (Int J Dermatol 2024, PMID 38390986)PubMed (International Journal of Dermatology)
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