リバースエイジングとは、すでに現れた肌の老化のサイン、つまり小じわ・ざらつき・シミ・ハリの低下を減らすケアや施術をまとめて呼ぶ言葉です。医学用語ではなく美容分野の表現なので、何がどこまで戻るかは老化の原因によって異なります。
3行まとめ
年齢そのものより日光がつくった老化のほうが、ケアで大きく変わります。
毎日塗る日焼け止めは日光による老化を遅らせ、処方のトレチノインは日光でできた小じわ・ざらつきを減らします。
施術はシミ・キメ・たるみのように症状ごとに選びます。
アンチエイジングとリバースエイジングはどう違いますか?
2つの言葉は目標とする時点が違います。アンチエイジングはこれから起こる変化を遅らせるもので、リバースエイジングはすでに見えている変化を減らすものです。実際のケアでは両者は重なります。日焼け止めのように予防に使う方法が、すでに始まった日光による老化の進行も遅らせるからです。
| 区分 | アンチエイジング | リバースエイジング |
|---|---|---|
| 目標 | 今後の老化のスピードを遅らせる | すでにあるしわ・シミを軽減し、キメを整える |
| 代表的な方法 | 紫外線対策、保湿、禁煙 | レチノイド(ビタミンA系の塗り薬成分)、レーザー、注入施術 |
肌はなぜ老化するのですか?年齢と日光
肌の老化には2つの流れがあります。1つは年齢とともに誰にでも起こる老化で、肌が薄くなり小じわが増えます。もう1つは日光の紫外線が積み重なって起こる光老化で、深いしわ・肝斑やシミ・ざらつきが代表的です。顔や首、手の甲のように日光によく当たる場所から先に現れます。
リバースエイジングで変えられる余地が大きいのは光老化です。喫煙や睡眠不足も老化を早める要因なので、あわせて減らします。老化が始まる時期と生活要因は肌の老化が始まる時期のご案内で詳しく見られます。
研究で確かめられた2つの方法
日焼け止めを毎日塗ると老化の進みが少ないことが、4.5年間追跡した試験で確かめられました。毎日塗った人たちは肌の老化が測定できるほど進まず、必要なときだけ塗った人たちより老化の進行が24%少なくなりました。大切なのは毎日同じ量を塗る習慣で、塗る量と塗り直す間隔は日焼け止めの使い方ガイドにまとめています。
トレチノインはレチノイドの一つで、処方のクリームです。16週間顔に塗った試験では15人中14人の光老化が改善し、偽のクリームを塗ったグループは改善しませんでした。副作用は塗った部位の刺激でした。処方と使い方の説明は診療で受けます。
症状ごとに選ぶ施術
「若返る施術」が別にあるわけではなく、症状ごとに別の手段を使います。まず一番気になる変化を1つ選び、その症状を扱う施術から調べます。
| 見える変化 | 主に使う方法 | あわせて読む記事 |
|---|---|---|
| 肝斑・シミ | レーザートーニング、色素レーザー | 色素沈着改善ガイド |
| 小じわ・ざらつき | スキンブースター、レチノイド | スキンブースターガイド |
| たるみ | ウルセラ、サーマクール | サーマクール・ウルセラ比較 |
施術の前後はレチノイドをしばらく休むことが多いため、ホームケアと施術の日程をあわせて調整します。調整方法は施術前後のレチノールガイドにあります。
細胞を若返らせる研究は人にも使われていますか?
細胞が老いたことを示すサインを戻す研究は実際にあります。代表的な例として、マウスで4つの遺伝子を短期間オンにする部分的リプログラミングによって、老いた細胞のサインが減ったという報告があります。ただしこの研究は動物実験の段階で、皮膚科で受ける施術とは別の話です。
「細胞を若返らせる」と紹介される施術があれば、この研究と同じものかどうかを別に確認します。
よくある質問
Q1. 自宅でのケアだけでも戻せますか?
塗るケアは、日光による小じわ・ざらつきのように肌の表面に近い変化に働きかけます。たるみとボリュームの減少は肌の下の脂肪・筋膜などの層の変化が関わるため、塗る製品より施術で扱うことが多くなります。
Q2. まず何から始めればいいですか?
毎日日焼け止めを塗ることから始めます。顔全体に十分な量を塗り、長く屋外にいるときは2時間ごとに塗り直します。曇りの日や室内の窓辺でも同じ量を塗ります。
Q3. レチノイドは誰でも使えますか?
妊娠中または妊娠を計画している場合は使いません。それ以外の方も、最初の数週間は赤み・皮むけなどの刺激がよく起こるため、1日おきのように塗る回数を減らして始めます。肌が敏感な場合や施術を控えている場合は、始める時期を診療で一緒に決めます。
Q4. 幹細胞の施術で年齢を戻せますか?
SVF(ご自身の脂肪から取り出した細胞成分を使う施術)は、肌のハリとキメの変化を目標にします。年齢そのものを戻す施術としては説明しておらず、原理と根拠はSVF施術ガイドで確認できます。
Q5. 何歳から始めればいいですか?
紫外線対策は年齢に関係なく毎日行います。30代に何から始めるかは30代のアンチエイジングの始め方にあります。
結果・持続・適合の可否は、お一人おひとりの肌状態・年齢・生活習慣によって差があり、同じ結果をお約束することはできません。
施術には一時的な赤み・むくみなどの副反応が生じる可能性があり、禁忌事項がある場合もありますので、事前カウンセリングでご確認ください。
本記事は一般的な情報のご案内であり、個別の診療に代わるものではありません。ご自身の状態に合わせた診断・施術はカウンセリングでご確認ください。
根拠資料
- Hughes MCほか(2013)、Ann Intern Med: Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial(PMID 23732711)— 日焼け止めの毎日使用試験(3番目のセクション)
- Weiss JSほか(1988)、JAMA: Topical tretinoin improves photoaged skin. A double-blind vehicle-controlled study(PMID 3336176)— トレチノイン16週試験(3番目のセクション)
- Ocampo Aほか(2016)、Cell: In Vivo Amelioration of Age-Associated Hallmarks by Partial Reprogramming(PMID 27984723)— マウスの部分的リプログラミング研究(5番目のセクション)
あわせて読む
現在の状態に合う施術相談
現在の健康状態と過去の施術歴を確認したうえで、検討可能な選択肢と限界をご案内します。



