ボックスとローリングの跡は、1550nmのフラクショナルレーザーの研究で個数が比較的多く減り、細く深いアイスピック跡は減り方が最も小さかったです。セリニックのアギレーザーも、1550nmと1927nmの波長を使うフラクショナルレーザーです。
3行まとめ
一つの顔に三つの形が混じると、同じ施術でも見える変化は形ごとに違います。
施術期間にニキビが増えると跡が再び悪くなることがあるため、先にニキビを落ち着かせます。
レーザーではなく、成分を真皮に入れた研究でも跡のスコアとくぼみがよくなりました。
アイスピック跡は細くて深いです
アイスピック跡は錐で突いたように入り口が細く、下へ向かうほどさらに細く深く入ります。ボックス跡は底が広く、下へ向かっても細くなりません。ローリング跡は境界のぼやけた浅い波で、まわりの皮膚と高さがゆるやかにつながります。
一つの頬に三つの形が一緒にあることはよくあります。光の下で底が広く見えればボックスに近く、波のように広がればローリングに近く、点が深く掘れていればアイスピックに近い形です。
| 形 | 見た目 | 大きさ | 1550nmレーザー後に減った個数(中央値) |
|---|---|---|---|
| アイスピック | 入り口が細く、下へ深い | 2mm未満 | 19.1% |
| ボックス | 底が広く、細くならない | 底面の幅はアイスピック跡より広い | 59.2% |
| ローリング | 境界のぼやけた浅い波 | 4〜5mm | 40.6% |
赤い跡は皮膚の高さがそのままです
赤い跡と茶色い跡は色だけが違い、高低差のない跡です。くぼんだ跡は皮膚が下がった場所なので、色の跡と一か所で重なっていても色と高さは別の問題です。茶色い跡は色素沈着を薄くする方法で扱います。
アギレーザーは細い熱の柱を残します
アギレーザーは1550nmのEr:Glassと1927nmのツリウムを一つの機器で使います。レーザーが皮膚の中にごく細い熱の柱を密に入れると、柱と柱の間の傷ついていない皮膚がその場所を埋め、数か月かけて新しいコラーゲンが満ちてきます。レーザーの種類ごとに、熱の柱が届く深さと間隔が違います。
1550nmのフラクショナルレーザーを受けた人を韓国の研究チームが調べたところ、ボックスの跡が最も多く減り、25歳以下でより多く減りました。一部の参加者はニキビの薬も一緒に飲んでいました。
1927nmの研究では、かさぶたは3〜5日で自然に取れ、赤みは3〜7日(中央値5.5日)で引きました。1927nmの研究では、施術期間にニキビが増えた人の跡が、最後の施術のあと再び悪くなった場合が多くありました。かさぶたは剥がさず、かさぶたのケアに沿って、自然に取れるまで待ちます。施術後の紫外線対策を行い、レーザー施術後のケア原則も守ります。
ジュベルックとリジュランは成分を真皮に直接入れます
ジュベルック PDLLA+HAは、PDLLA(ポリ乳酸の一種)とヒアルロン酸を真皮に入れる注射です。跡のスコアを調べた研究では、この注射ではなく、細い針のついた高周波の機器で同じPDLLA成分を真皮に入れました。スコアは約37%改善しました。
リジュランは、PN(DNAの断片からなる成分)を真皮に入れる注射です。同じPN成分を跡に入れた小規模な予備試験では、1か月と3か月にくぼみがよくなりました。対象はニキビが落ち着いた少人数の30〜50歳の女性で、試験に使ったPNはリジュランではない別の製品です。
| 施術 | 皮膚ですること | 跡との関係 | 回数・間隔 | 回復 |
|---|---|---|---|---|
| 1550nmフラクショナルレーザーの研究 | 1550nmで熱の柱を残す | 形ごとに跡の個数を比べる | 中央値2回 | — |
| 1927nmフラクショナルレーザーの研究 | 1927nmで熱の柱を残す | 3回後にニキビ跡のスコアが約3分の1改善 | 4〜6週間隔、3回 | かさぶた3〜5日、赤み3〜7日(中央値5.5日) |
| PDLLA成分の高周波マイクロニードル研究 | 同じ成分を、細い針のついた高周波の機器で真皮に入れる | 跡のスコアが約37%改善 | 研究: 4週間隔で4回 | — |
| 別のPN製品の研究 | PN成分を真皮に注射 | 1・3か月にくぼみが改善 | — | — |
※ レーザーの研究では、痛み、赤み、腫れ、かさぶた、施術期間のニキビ増加が報告されました。1550nmの研究では、かさぶたと赤みが2週間、腫れが1か月続いた例、皮膚がむけた例、麻酔クリームによる接触皮膚炎がありました。1927nmの研究で、肌の色が濃くなった人、薄くなった人はいませんでした。
アイスピック跡は個数の減り方が最も小さかったです
アイスピック跡は、細く深い先端がレーザーの熱が届く深さより下に残ることが多くあります。文献では、レーザーとは別にパンチ切除やサブシジョンのような手術的な方法も扱います。
費用は範囲と計画で変わります
費用を左右するのは、跡がどこまで広がっているか(顔全体か頬だけか)、レーザーの回数、注射を加えるかどうかの三つです。施術ごとの金額は料金案内でご確認いただけます。
初回来院の前にニキビ跡を記録する方法
同じ光の写真で、くぼみと色の跡を比べます。
- □ 横から光を当てた写真3枚(正面、左、右)
- □ 錐の跡のように細い跡の数
- □ 赤い跡と茶色い跡がくぼみと一緒にあるか
- □ 今もニキビが出るか、服用中の薬の名前
- □ 最近4週以内のレーザーやピーリング
よくある質問
Q1. アイスピック跡もレーザーで減りますか?
減りはしますが、変化は小さいほうです。錐の跡のように細い跡が何個あるかを先に数えておくと、施術のあと変化を同じ基準で比べられます。
Q2. 何回受ければよいですか?
研究ごとに、1550nmは中央値2回、1927nmは3回、PDLLAの高周波マイクロニードル研究は4回でした。跡の種類と範囲を見たうえで、この範囲の中で回数を計画します。
Q3. 回復には何日かかりますか?
1927nmレーザーの研究では、かさぶたと赤みはたいてい1週間以内に落ち着きました。注射は針の跡の赤みが主に残ります。かさぶたは無理に剥がさず、日光を避けます。
Q4. ニキビがまだ出ていますが受けられますか?
ニキビがまだ抑えられていなければ、先にニキビの治療をし、服用中の薬は施術の前に伝えます。
Q5. 赤いニキビ跡もクレーターですか?
クレーターではなく、炎症が引いたあとに残った色の変化です。同じ場所にへこみと重なることがあるので、写真では色と高さを別に記しておきます。
根拠資料
- Jacob CIほか(2001), J Am Acad Dermatol: Acne scarring: a classification system and review of treatment options (PMID 11423843)
- Lee SR・Cho S(2023), Dermatol Ther (Heidelb): Clinical Factors Affecting the Effectiveness of 1550-nm Erbium-Doped Fractional Photothermolysis Laser for Individual Atrophic Acne Scar Types (PMID 36631628, PMC9884716)
- Lu K・Cai S(2022), Lasers Med Sci: Efficacy and safety comparison between 1927 nm thulium laser and 2940 nm Er:YAG laser in the treatment of facial atrophic acne scarring: a prospective, simultaneous spilt-face clinical trial (PMID 34826022, PMC8971160)
- Araco A・Araco F(2021), Aesthet Surg J: Preliminary Prospective and Randomized Study of Highly Purified Polynucleotide vs Placebo in Treatment of Moderate to Severe Acne Scars (PMID 33755110)
- Hyeong JHほか(2022), Dermatol Surg: Intradermal Injection of Poly-d, l-Lactic Acid Using Microneedle Fractional Radiofrequency for Acne Scars: An Open-Label Prospective Trial (PMID 36449872)
この記事は一般的な情報案内であり、個人の診療に代わるものではありません。
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