幹細胞皮膚治療として紹介される施術は、多くの場合、ご本人の脂肪を採取し、その中の細胞を皮膚に注射する方法です。このとき使うのは培養して増やした幹細胞ではなく、脂肪から直接分離した細胞混合物(SVF)です。皮膚に注射する前に脂肪採取と分離の過程が必要であり、しわ改善を裏づける根拠はまだ十分に集まっていません。
当日の施術に使うものは何か
国際学会は、当日分離したSVFと培養して増やした細胞を互いに異なる材料として区分します。広告ではどちらも「幹細胞」と呼んでも、実際に体に入れるものは変わり得ます。
培養して増やした細胞は、韓国国内では医薬品として扱われます。当日分離したSVFは培養せず、どのように分離したかによって法的な扱いが異なります。
| 区分 | 当日分離したSVF | 培養した細胞 |
|---|---|---|
| 体外培養 | 行わない | 培養して数を増やす |
| 韓国国内での扱い | 分離方法によって異なる | 医薬品 |
| 施術の流れ | 採取した日に注入できる | 採取した日にすぐ注入しない |
細胞の名称と正体をさらに詳しく知るには、「脂肪幹細胞」と呼ばれるSVFは、培養した幹細胞とは異なりますで確認できます。
脂肪を採取して皮膚に入れるまで
施術の最初の段階は皮膚注射ではなく、脂肪採取です。腹部などから器具を入れて脂肪を採取します。採取部位の麻酔方法と採取量、回復にかかる時間は、皮膚注入とは別に確認する必要があります。
採取した脂肪から、細胞を含む部分を集めます。酵素を使う方法は細胞をつなぎ止めている物質をほどいて切り離し、機械を使う方法は組織を物理的に細かく分けます。複数の国では、酵素分離を組織により手を加えた方法とみなし、規制審査の対象としています。
分離が終わると、集めた細胞を皮膚に分けて注射します。どの部位と皮膚層にどれだけ入れるかは、医療機関の施術計画によって決まります。
| 段階 | 実際に行うこと | 確認する点 |
|---|---|---|
| 脂肪採取 | 腹部などから脂肪を取り出す | 麻酔、採取部位と量、回復 |
| 分離 | 酵素または機械で細胞を含む部分を集める | 分離方法 |
| 皮膚注入 | 決めた皮膚層に分けて注射 | 注入部位と計画 |
全体の進行構成と、ほかの自家由来施術との違いは、SVF施術の詳細とNovaStem・SVF・PRF比較にまとめています。
皮膚で確認された変化
二つの研究を合わせてみましたが、しわが減ったと言える結果は出ておらず、二つの研究の結果も互いに大きく異なりました。色素の変化も、研究ごとに方向が異なりました。
ある研究では弾力と皮膚内側の密度・厚さが増えましたが、機器で測ったしわとほうれい線の外見は、施術前と同程度にとどまりました。皮膚外側層の密度もそのままでした。
レーザーや、血液から血小板の多い部分を集めたPRPを併用した場合、SVFだけを使ったときより良い結果が報告されました。この記録は二つの施術を一緒に行った結果であるため、SVF一種の変化として読むには別の研究が必要です。
※ 研究ごとに施術方法と観察期間、評価ツールが異なり、一部の結果は比較対象なしに一つの集団だけを観察した研究から出ています。
これまでに報告された副反応
臨床資料で主に報告された有害事象は、一時的な痛み、腫れ、注射部位の炎症でした。血管閉塞、組織が硬くなる現象、感染、腫瘍のような重大な問題は、臨床症例を集めた資料で報告件数0と集計されました。ただし資料が少なく観察期間が短いため、現在確認されている範囲は短期の安全性です。
脂肪移植にSVFを加えた研究を集めた資料では、最長4年まで感染、嚢胞、脂肪壊死、腫瘍再発の頻度が施術前と同程度に維持されました。皮膚にSVFだけを注射した施術とは条件が異なる結果です。
注入経路が変わると、リスクも変わります。自家脂肪由来細胞を眼内に注射された3名に、両眼の重度の視力喪失が生じた事例が報告されました。ご本人の組織であるという事実よりも、どこにどのような方法で入れるかまで確認する必要がある理由です。
法律と制度が生む問い
この法律がいう先端再生医療は、重症・希少・難治疾患の治療のための制度であり、対象となる患者もその範囲に限られます。皮膚美容はここから外れているため、「先端再生医療の承認」という表現を聞いたときは、どの手続きとどの疾患を指すのかを問い返す必要があります。
国家評価を経て収載された自家脂肪由来SVF技術は、特定の疾患二つだけであり、条件も厳しく定められています。皮膚・美容目的で収載された技術は0件です。この区分は施術の適法性を判定する基準ではなく、国家評価の一覧にどの技術が載っているかを示すものです。
施術の前には、名称よりも採取・分離・注入の実際の過程を確認する方が正確です。
- □ 脂肪を酵素で分離しますか、機械で分離しますか?
- □ 当日注射する材料は、培養していないSVFですか?
- □ 「先端再生医療の承認」がどの手続きを指すか聞きましたか?
- □ 収載を根拠として提示される場合、収載された疾患と適用条件を確認しましたか?
- □ 脂肪採取と皮膚注入のリスク、採取部位の回復期間をそれぞれ聞きましたか?
- □ 服用中の薬、妊娠・授乳、活動性感染、自己免疫疾患を施術前に伝えましたか?
見積書は、採取・分離・注入・併用施術のうちどこまでを含んだ金額かを分けて確認してください。施設と感染管理、救急対応など、医療機関を選ぶ一般的な基準は幹細胞の安全な医院の選び方でご覧いただけます。
よくある質問
Q1. SVF施術は痛みますか?
脂肪を採取するときに器具が入り、分離した細胞を皮膚に再び注射します。資料では一時的な痛みと腫れが主に報告されました。採取部位の麻酔方法と皮膚注入の方法を分けて確認してください。
Q2. 自家組織なら安全ですか?
自家組織とは、材料をご本人から得たという意味です。脂肪採取と皮膚注入のリスクはそれぞれ残るため、二つの過程を別に説明してもらう必要があります。
Q3. レーザーやPRPと一緒に受けてもよいですか?
研究には、レーザーやPRPを併用した記録があります。併用の可否と実施の順序は、施術前に決めておいてください。一緒に受けたときの結果は、二つの施術を合わせた結果として読む方が正確です。
Q4. 施術前にどのような健康状態を伝える必要がありますか?
服用中の薬がある場合や妊娠・授乳中の場合、活動性感染や自己免疫疾患がある場合は、施術前に伝える必要があります。血液をさらさらにする薬や免疫抑制剤を服用している場合は、あわせて伝えてください。
Q5. SVFとPRP・PRFは同じ施術ですか?
SVFは脂肪から得て、PRPと多血小板フィブリン(PRF)は血液から準備します。採取する組織が異なるため、分離方法と準備の順序も異なります。詳しい違いはPRFとSVFの違いで確認できます。
結果・持続・適合の可否は、お一人おひとりの肌状態・年齢・生活習慣によって差があり、同じ結果をお約束することはできません。
施術には一時的な赤み・むくみなどの副反応が生じる可能性があり、禁忌事項がある場合もありますので、事前カウンセリングでご確認ください。
本記事は一般的な情報のご案内であり、個別の診療に代わるものではありません。ご自身の状態に合わせた診断・施術はカウンセリングでご確認ください。
根拠資料
- Bourin Pほか(2013)、Cytotherapy: Stromal cells from the adipose tissue-derived stromal vascular fraction and culture expanded adipose tissue-derived stromal/stem cells: a joint statement of the International Federation for Adipose Therapeutics and Science (IFATS) and the International Society for Cellular Therapy (ISCT)(PMID 23570660)
- Dominici Mほか(2006)、Cytotherapy: Minimal criteria for defining multipotent mesenchymal stromal cells. The International Society for Cellular Therapy position statement(PMID 16923606)
- Trivisonno Aほか(2019)、Stem Cells Transl Med: Intraoperative Strategies for Minimal Manipulation of Autologous Adipose Tissue for Cell- and Tissue-Based Therapies: Concise Review(PMID 31599497)
- A Systematic Review of Adipose-Derived Cell Therapies on Skin Quality (2025, PMID 40852442)
- Amirkhani MAほか(2016)、Bioimpacts: Rejuvenation of facial skin and improvement in the dermal architecture by transplantation of autologous stromal vascular fraction: a clinical study(PMID 27853678)
- Hakami AHほか(2025)、Cureus: Adipose-Derived Stem Cell, Stromal Vascular Fraction, and Regenerative Cell Enrichment in Fat Grafting: A Systematic Review of Safety and Functional Outcomes(PMID 41555993)
- Safety profile of autologous adipose-derived stromal vascular fraction in clinical use (2026, PMID 41618435)
- 自己脂肪由来細胞の眼内注入後に重度の視力喪失をきたした症例, New England Journal of Medicine (2017, PMID 28296617)
- 国家法令情報センター:先端再生医療及び先端バイオ医薬品安全・支援に関する法律(先端再生バイオ法)および同施行令
- 韓国保健福祉部:新医療技術の安全性・有効性評価結果に関する告示(2026年8月10日施行)
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